彩恋 SAI-REN [DVD]

本作はよくも悪しくも飯塚組の仕上がりである（笑）。東宝×小学館というまさに鉄壁コンビの製作作品に飯塚健が起用されるとは！ホンは相変わらずのとっ散らかりぶりで、いくつもの軸が絡み合うために、最後が結実しない。でも、今回は大メジャー作品だけあってインディペンデント色は薄く、お金もかかっていそうだ。何といっても今、旬の女優３人を据えたことが凄い。ホンがどうであれ、この３人ならば一定のレベルには押し上げてしまう力がある。関めぐみと貫地谷しおりはいつものキャラの延長だが、徳永えりは「フラガール」に次ぐベストアクトではなかったか。実際、徳永や奥貫薫、きたろうといった顔触れは、ある意味飯塚組の常連（というほど作品撮ってないが）であり、飯塚監督も徳永の魅力は出しやすかったのだろう。本作もクレジットは三番目だが、事実上の主演は徳永だった。助演の目立たない役が多いが、本作のような演技を活かした作品にもっと出てもらいたい女優である。とにかく、この３人がいなかったら、恐らくとんでもない出来になっていたのでは（笑）・・・。飯塚脚本は人間とか生とか死とかがとにかく「軽い」ので、感情移入ができないのだ。飯塚監督、期待しているので、次回はもうちょっとホンをきちんとしてください！