Maigret Et I'homme Du Banc (French Edition) (Ldp Simenon)

This about 10th Maigret I have read it was one of the better ones the characterisation of the victim was exceptionally good.

Un Maigret qui se lit agréablement et qui nous plonge dans le Paris d’après la guerre ; une intrigue assez simple finalement qui tourne autour du crime crapuleux. On retrouve l’univers de Simenon avec le quai des Orfèvres, les interrogatoires feutrés ou encore les maisons closes.

u peu léger, pas passionnant

10月19日。雨上がりの夕方。ひとでごったがえすサン・マルタン大通り近くの袋小路で男の刺殺体が発見される。男は背後からナイフで一突きで殺されていた。40代から50代と見られる被害者はどこにでもいる実直そうな勤め人風だった。所持していた身分証明書から身元はすぐに判明。メグレは着任早々の部下を伴ってさっそく被害者の自宅に出向く。事件を知らされた妻は驚くが、彼女の証言によれば夫はいつも通り朝自宅を出て勤め先に向かったという。殺される心当たりなどまったくないと。しかし捜査を進めるうちに被害者はすでに3年前に失職して無職であることが分かった。男はなぜ家族に仕事を失ったことを秘密にして、しかも家族はそれに気づかなかったのか？　3年もの間、男はどうやって毎月給料分の金を妻に渡すことができたのか？　そして男はなぜ殺されなければならなかったのか？　家族から疎外され行き場を失い、あてもなくパリの街を彷徨う中年男。世間体だけを気にして夫を無能扱いする妻。そんな家庭から逃げ出すことを夢見る娘。本格謎解きミステリーを期待すると肩透かしを食らいます。けれども、およそ半世紀前のパリを背景にして希望を失くし、失意の底であえぎながら生き、図らずも悲劇に巻き込まれるひとびとの姿は、いまの荒涼とした日本の精神風景になぜかぴったりと当てはまる印象さえあります。原文は簡潔にして平明。フランス語の初級文法をひととおり学習した読者なら辞書を片手に読みこなせます。